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歴史書の歴史:『日本の修史と史学』で日本の歴史研究を深く理解する

日本の歴史を学ぶ上で欠かせない「歴史書」。その歴史を、歴史学者である坂本太郎氏が独自の視点と深い知識で解き明かすのが、講談社学術文庫から刊行されている『日本の修史と史学歴史書の歴史』です。

この本で何がわかる?

この本は、単なる歴史書の紹介にとどまりません。日本の歴史研究がどのように発展してきたのか、その過程を歴史書を通して辿り、史学の基礎概念や方法論を学ぶことができるのです。例えば、以下のような点が深く理解できます。

  • 日本最古の歴史書『古事記』や『日本書紀』の成立背景: 神話や伝説と歴史がどのように結びついているのか、編纂者の意図は何だったのか。
  • 鎌倉時代・室町時代の歴史書: 武家政権下で生まれた歴史書は、どのような特徴を持っているのか。
  • 江戸時代の歴史研究: 荻生徂徠や本居宣長といった碩学者たちが、歴史研究にどのような革新をもたらしたのか。
  • 近代史学の確立: 日本の史学が西洋の学問と出会い、どのように発展してきたのか。

読んでみての感想

これまで歴史書を個別に読んでいた私にとって、この本はまさに「歴史書の道標」のような存在でした。それぞれの歴史書が、時代背景や編纂者の思想、そしてその後の歴史研究にどのような影響を与えたのかが、体系的に理解できるのです。専門的な内容でありながら、坂本太郎氏の筆致は平易で読みやすく、歴史好きならきっと夢中になれるでしょう。

特に印象的だったのは、歴史書の編纂過程における「解釈」の重要性です。同じ出来事であっても、誰が、どのような視点から書くかによって、全く異なる歴史像が生まれる可能性があることを、改めて認識させられました。

他の歴史書との比較

日本の歴史を概観する入門書としては、例えば金井 пок氏の『日本の歴史』や、井沢元彦氏の『日本の歴史』などが挙げられます。しかし、これらの本はあくまで「歴史の出来事」を記述するのに対し、『日本の修史と史学』は「歴史を記述する側の視点」に焦点を当てている点が大きく異なります。

また、角川選書から出ている『歴史とは何か』のような史学の入門書も存在しますが、こちらは抽象的な理論に終始しがちです。一方、『日本の修史と史学』は、具体的な歴史書を題材にしながら、史学の基礎を学ぶことができるため、より実践的な知識を身につけることができるでしょう。

こんな人におすすめ

  • 日本の歴史をより深く理解したい方
  • 歴史書に興味がある方
  • 史学の研究者を目指している方
  • 歴史の解釈について学びたい方

この本を読めば、日本の歴史に対する見方がきっと変わるはずです。