なぜ教科書は「抹殺」されようとしたのか?
「新しい歴史教科書を作る会」が作成した歴史教科書は、従来の歴史観とは異なる視点から歴史を捉えようとし、大きな議論を呼びました。しかし、その教科書は文科省によって「抹殺」されようとしたのです。この書籍『教科書抹殺 文科省は「つくる会」をこうして狙い撃ちした』は、その衝撃的な裏側を、当事者である藤岡信勝氏の言葉で克明に描き出しています。
従来の教科書との違い
この教科書が従来の教科書と大きく異なっていたのは、以下の点です。
- 歴史解釈の多様性: 従来の教科書では触れられなかった、あるいは一面的に描かれていた歴史的事象について、多角的な視点を提供。
- 愛国心の重視: 日本の歴史や文化に対する誇りを育むことを目的とした記述。
- 批判的思考の促進: 歴史的事象を鵜呑みにせず、自ら考え、判断する力を養うための工夫。
これらの特徴が、一部の歴史学者や教育関係者からの反発を招き、文科省による教科書検定において厳しい評価を下されることになったのです。
文科省による「狙い撃ち」とは?
本書では、文科省の教科書検定担当者が、どのようにして「つくる会」の教科書を「抹殺」しようとしたのか、具体的な手口が暴露されています。例えば、些細なミスをことさら厳しく指摘したり、政治的な意図に基づいた不当な修正要求を行ったりといった事例が紹介されています。
他の教科書との比較
文科省の検定基準は、他の教科書に対しては比較的寛容であり、「つくる会」の教科書だけが特別に厳しく扱われていたことがわかります。これは、文科省が「つくる会」の教科書の内容に強い危機感を抱いていたことを示唆しています。
例えば、東洋史に関する記述において、従来の教科書では中国史や韓国史を重点的に扱っていたのに対し、「つくる会」の教科書では日本の歴史や文化をより多く取り上げています。この点が、文科省の検定担当者から「日本中心主義」だと批判されたのです。
読んで感じたこと
本書を読んで、私は歴史教科書が単なる知識の伝達手段ではなく、国家のイデオロギーを反映する政治的な道具であることを改めて認識しました。文科省による教科書検定は、歴史の客観的な記述を保証するものではなく、むしろ特定の歴史観を強制する手段となりうるのです。
この書籍は、歴史教育に関心のある方だけでなく、日本の政治や社会について深く考えたいすべての方にとって、必読の一冊と言えるでしょう。
まとめ
『教科書抹殺 文科省は「つくる会」をこうして狙い撃ちした』は、歴史教科書をめぐる文科省と「つくる会」の激しい対立を描いた、衝撃的なノンフィクション作品です。歴史教育のあり方について深く考えさせられるとともに、日本の政治や社会の矛盾を浮き彫りにしています。ぜひ一度、手に取って読んでみてください。
