健康診断に対する新たな視点
毎年受け慣れている健康診断。でも、本当に必要なのか? そんな疑問を抱いたことはありませんか?
近藤誠医師の著書『健康診断は受けてはいけない (文春新書)』は、従来の健康診断のあり方を問い直し、**「過剰診断」**という言葉を通して、私たちに健康と向き合う新たな視点を与えてくれます。
なぜ健康診断は「受けてはいけない」のか?
本書で近藤医師が問題視しているのは、健康診断で**「異常値」**と判定されることの落とし穴です。
「異常値」と表示されると、私たちは不安になり、さらに詳しい検査を受けたり、必要のない薬を服用したりすることがあります。しかし、その「異常値」が本当に病気の兆候なのか、それとも単なる個体差や一時的な変動なのか、見極めることが重要だと訴えています。
近藤医師は、健康診断によって偽陽性(本当は病気ではないのに病気と診断されること)が増加し、結果として患者の精神的な負担や医療費の増大につながることを指摘。
過剰診断とは?
過剰診断とは、病気にかかっていない人を病気と診断すること、または、病気の進行を過大評価することです。
これによって、下記のような問題が起こりえます。
不要な検査・治療: 症状のない病気を「治療」しようとすることで、副作用のリスクを伴う検査や治療を受けることになる。
精神的な負担: 病気と診断されることによる不安やストレス。
医療費の増大: 不必要な検査や治療によって、医療費が増加する。
他の書籍との比較
健康に関する書籍は数多く存在しますが、本書は、単に健康な生活習慣を推奨するのではなく、「病気」という概念そのものに疑問を投げかけるという点で、非常にユニークです。
例えば、他の健康書籍では、コレステロール値の基準値や、血糖値のコントロール方法などが詳しく解説されていることが多いですが、本書では、これらの基準値がどのように設定されたのか、そして、それらの基準値にとらわれることの危険性を指摘しています。
また、内科医として長年の臨床経験を持つ近藤医師だからこそ語れる、医療現場の現実や医師の倫理観についても触れられており、非常に示唆に富んでいます。
読んでみての感想
本書を読んで、私は健康診断に対する考え方を大きく変えました。
これまで、健康診断は「健康維持のために必ず受けるべきもの」と思っていましたが、本書を読んだ後は、健康診断の結果を鵜呑みにするのではなく、自分の体と向き合い、自覚症状を大切にすることが重要だと感じるようになりました。
また、健康診断の結果が悪かったからといって、すぐに不安になるのではなく、医師とよく相談し、本当に必要な検査や治療を受けるかどうかを慎重に検討する必要があることも学びました。
本書は、健康診断を受けている全ての人、そして、これから健康診断を受ける予定の人に、ぜひ読んでほしい一冊です。
まとめ
『健康診断は受けてはいけない (文春新書)』は、従来の健康診断のあり方を問い直し、私たちに健康と向き合う新たな視点を与えてくれる一冊です。
過剰診断の罠に陥らないために、本書を参考に、自分の体と向き合い、健康的な生活を送っていきましょう。
